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根本 規生*; 吉川 正人; 梨山 勇; 吉田 貞史*; 大西 一功*
平成5年度 (第37回)日本大学理工学部学術講演会講演論文集; 材料・物性, p.149 - 150, 1993/00
立方晶シリコンカーバイド(3C-SiC)単結晶を用いてMOS構造を作製し、その線照射によって蓄積する固定電荷(N)の熱アニール挙動を室温から400Cの温度範囲で等時アニール法で調べた。その結果、400CでもNが完全にはアニールされないことがわかった。化学反応速度式を用いてNのアニール挙動を解析すると、1次反応により消滅する活性化エネルギー0.32eVの成分と400Cでは消滅しない成分に分けられた。等時アニールされるNの活性化エネルギーは絶縁膜中をホッピング伝導するイオン、あるいは膜中の水素や水の拡散のそれに近い値であり、アニールのメカニズムとして水素関連の化合物の拡散が示唆された。残りのアニールされないNは3C-Sic/SiO界面の残留カーボンに関連した欠陥かもしれない。
今木 俊作*; 岡田 耕平*; 高橋 芳浩*; 吉川 正人; 大西 一功*
平成5年度 (第37回)日本大学理工学部学術講演会講演論文集; 材料・物性, p.135 - 136, 1993/00
放射線照射や電荷注入による捕獲電荷がMIS構造の絶縁膜中において分布する場合、その膜中電荷分布を把握することが電荷捕獲機構や素子特性への影響などを解明する上で重要である。そこで同一素子内で絶縁膜厚をエッチングによって変化させ、各膜厚に対するMIS構造のミッドギャップ電圧より膜中の電荷分布評価を行う方法を考案し、MOS構造についてNHアニール後および放射線照射前後での酸化膜中電荷分布を評価した。この結果NHアニールにより電極界面付近の電荷量が変化し、Si-SiO界面準位が増加することがわかった。また放射線照射前の酸化膜中ではSi-SiO界面付近に正電荷が局在し、電荷量は製作時の初期酸化膜厚には依存せず、酸化温度上昇に伴って減少すること、放射線照射後ではSi-SiO界面付近で正電荷が捕獲され、その捕獲量は酸化温度に依存することがわかった。
斉藤 一成*; 高橋 芳浩*; 吉川 正人; 大西 一功*
平成5年度 (第37回)日本大学理工学部学術講演会講演論文集; 材料・物性, p.133 - 134, 1993/00
不揮発性記憶素子や高密度集積回路で注目されているMONOS構造のPOA(酸化膜成長後のアニール)処理とPNA(窒化膜堆積後のアニール)処理による、電気的特性と放射線照射効果に及ぼす影響について検討した。その結果、放射線照射前のMONOS構造はMOS,MNOS構造とは異なり、POA処理により固定正電荷密度、界面準位密度は減少せず、高温PNA処理を施したMNOS構造と同様な特性を示すことがわかった。また、MONOS構造のC-V特性における遷移領域には顕著な周波数分散がみられること、放射線照射によりミッドギャップ電圧はMNOS構造とは異なり負方向にシフトすることが確認され、これらの現象は窒化膜堆積後の高温熱処理に起因することがわかった。
須藤 仁介*; 鈴木 康晴*; 高橋 芳浩*; 吉川 正人; 大西 一功*
平成5年度 (第37回)日本大学理工学部学術講演会講演論文集; 材料・物性, p.131 - 132, 1993/00
MNOS構造は照射により発生した電荷をSi-酸化膜界面より離れた位置で捕獲することにより、界面準位密度及び固定正電荷密度の増加抑制が期待される。しかし、その電荷捕獲機構の評価は不十分である。本研究は電荷捕獲機構の評価を目的とし、線照射前後におけるミッドギャップ電圧をトラップモデルを仮定することにより解析した。また、照射中のゲートバイアスは種々変化させて実験を行った。Si-酸化膜界面に正孔トラップが、酸化膜-窒化膜界面には正孔および電子トラップが局在すると仮定したモデルにより実験結果をよく説明できることがわかり、本モデルの有効性を確認した。結果より、照射中の印加電圧依存性は、照射により絶縁膜中で発生する電荷量の電界依存性、および発生電荷のドリフト方向により説明でき、また酸化膜-窒化膜界面に捕獲された電荷は酸化膜電界の緩和を引き起こすことがわかった。